鼓遊はオリジナル曲の多いチームですが、新曲の作成は面白くもあり、そして、難しい作業でもあります。太鼓そのものには明確な音階がないため、単純なトラックをベースにすると、迫力はあっても飽きやすく、ストーリー性のない、まるで惹きこまれない曲になりがちです。
同じトラックがたとえ1小節長くなっただけでも、退屈さを感じたり、逆に腑に落ちない気持ち悪さを感じたりします。単一楽器だけでは深みや広がりに欠けるため、複数の楽器を組曲として組み上げていきますが、曲の構成やバランスもありかなり試行錯誤を続けることになります。
曲は感性や感情からのアプローチと、論理や理論からのアプローチの双方を組み合わせながら「魅力」や「面白さ」「惹きこまれる感じ」「楽しさ」「猛々しさ」「神々しさ」「力強さ」など、表現したいものへ練っていきます。
作っては捨て、作っては捨てを繰り返す作業になりますが、そのなかで光るリズムを捕まえて、組み上げていきます。大変な作業ですが、新しい音を創りあげるという興奮も覚える作業でもあります。
今は今年のチャリティーコンサートへ向けて複数の作曲を進めています。どれだけものにできるかはこれからの作業次第ですが、いつでも全力で取り組んでいることだけは間違いのないところです。