6月のチャリティーコンサートが終わると、鼓遊の稽古は夏の間中ほとんどが盆太鼓になります。鼓遊を特徴つける曲のひとつですが、演奏そのものが物理的・肉体的に難しく、鼓遊を特徴づけるにもかかわらず、苦手が団員が多い曲でもあります。
鼓遊の中でも定例の演奏スタイルとバチ回しの双方をマスターするレベルに達しているのは数名だけです。盆太鼓は1年やればできるようになるという類の曲ではなく、できれば子供の頃からみっちり稽古を積まないと、そもそも身につかない類の曲といえます。
盆踊りのリズムは、今の青少年はあまり馴染みがなく、正直なところとても乗りにくい曲です。慣れないスローのテンポに、慣れない調子のボイスが乗り、テンポ自体を取りづらく、普段体に入っていないメローなサウンドに身を委ねることになるので、とてもやりにくい曲です。曲がテープで再生されるケースではテンポ自体が揺れることもあり、難しさに磨きがかかります。